なぜ座り姿勢は難しいのか?

私たちの身体は「立つこと」に適応しています。しかし、座り姿勢は意外にも安定しにくく、猫背や骨盤の歪みにつながりやすいのです。

1. 感覚点(基準点)の確保の難しさ

立ち姿勢は足裏が床に接し、踵や母指球といった骨の突出部分に体重がかかります。このとき足裏からの骨でしっかりと荷重がかかる感覚情報が、身体の位置を脳に伝える重要な基準点となります。

一方、座位では荷重が主にお尻にかかり、坐骨が感覚点となります。しかし、坐骨から得られる情報は足裏ほど安定しておらず、姿勢保持が難しくなります。
座位では足裏への荷重が減少します。その荷重の多くがお尻に乗ります(座面の高さやタスクにもよるが60〜70%)。

このため、足裏の代わりに坐骨(骨盤の座る時に当たる部分)が主な感覚点となります。

しかし、坐骨からの感覚情報は、足裏からの情報に比べて、姿勢を安定させるための「基準点」として利用するのが難しいとされています。そのひとつは2つ目の理由と重なります。

補足として/ピラティスやオンラインサロンでは

自分の身体が今どうなっているのか?を感じる力や自分で自分の身体をコントロールする能力が低い場合、画像一番左のように足を広げてバランスをとることで、自分の身体を安定させるしかないのです。
逆に足を閉じていても、いい姿勢をキープするには自分の身体の感じる能力が高ければ身体を安定しやすくもなります。

ピラティスやオンラインサロンのエクササイズは、体の感覚情報を常に更新することでこれらの能力も高めていくことが狙いになるのです。

2. 骨盤保持の難しさ

「座ると骨盤が後ろに倒れてしまう」という経験はありませんか?
立位では脚・お尻・お腹・背中の筋肉が積極的に働きますが、座位では骨盤を支える筋群の活動が減り、自然と骨盤後傾が起きやすくなります。結果として猫背や腰痛の原因となるのです。


正しく座るためにできる工夫

日常で意識できるポイント

  • 足裏をしっかり床につける(感覚点の安定)
  • 坐骨が安定するチェアパッドを使う
  • 座面が高めの椅子を選ぶ(膝が座面より低くなると安定しやすい)
  • 柔らかすぎる椅子は避ける

トレーニングでサポート

ピラティスを取り入れると、骨盤を支える深層筋(世間的にはインナーマッスル)や背骨を安定させる筋群を効果的に鍛えることができます。
また、座り姿勢を改善するためのエクササイズを取り入れることで、日常生活の中でも自然に良い姿勢を保ちやすくなります。

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ピラティス×トレーニングで「根本改善」を目指す理由

一時的なストレッチやマッサージでは、症状がぶり返してしまうことも少なくありません。

ピラティスは「正しい姿勢を保つための筋肉」と「身体感覚の再教育」を同時に行えるため、根本的な姿勢改善につながります。

  • 猫背改善
  • 腰痛・肩こりの予防
  • 運動不足解消
  • 美しい姿勢づくり

これらをまとめてサポートできるのが、上大岡で受けられるパーソナルピラティスの大きな特徴です。


まとめ

  • 座り姿勢が崩れる原因は「感覚点の不安定さ」と「骨盤保持の難しさ」
  • 日常の工夫+ピラティスやエクササイズのトレーニングで根本改善が可能
  • 姿勢を整えることで、猫背や腰痛だけでなく、全身の健康にも良い影響が期待できる

長年のクセを自分一人で改善するのは難しいもの。だからこそ、専門家のサポートを受けながら継続することもぜひ取り入れてみてください!

論文などの引用元

参考文献

木村順、小黒早苗。 “保護者が知っておきたい発達が気になる子の感覚統合”GAKKEN. July 2014.

Randy W Beck. Functional Neurology for Practitioners of Manual Medicine. Churchill Livingstone. Oct 2011

M.J.Turlough Fitzgerald, Estomih Mtui, Gregory Gruener, et al. Clinical Neuroanatomy and Neuroscience. Elsevier. June 2013.

Ron Hruska. PRI Integration for Fitness and Movement Manual 2016. Postural Restoration Institute.